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天使は純白の翼を使い羽ばたく事で、戒め鎖の奔流から逃れた。
しかし鎖はアネルートフィアの操作で天使を追尾して足を搦め捕る。
「沈むがよい!!」
アネルートフィアはその戒め鎖を力任せに引き寄せ、掌底を腹に打ち込む。
「かはっ……」
苦しそうに喘ぐ天使だが、意識までは奪えなかったようだ。
この天使は美しい鎧を纏っていて、手には大剣が握られている。
「むぅ。鎧のせいで力加減が判らぬ……」
アネルートフィアはレルトから殺害は禁止されている。
それ故に攻撃の威力は落としているのだ。
もう一度、打撃を入れるべくアネルートフィアは衝撃で間合いの外に出た天使を引き戻そうとする。
だが、ケルベロスが天使を捕らえていた戒め鎖を噛み切り、水の精霊が魔法を発動して6本の水の鞭を彼女目掛けて放つ。
アネルートフィアはその水の鞭を充分に引き付けてから戒め鎖による壁を展開し、6本の内4本を防ぐ。
残りの2本はその壁を迂回し、左右からアネルートフィアを押し潰すように迫る。
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