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レルトは素早くインパクトを表すフォニア文字を描き、ビルノが前に出し重心をかけている足のふくらはぎを衝撃で払う。
重心を払ってしまえば必然的に体勢を崩す。それはビルノとて同じ事だ。
「うおっ!?」
倒れ込むビルノにレルトはハンドガンを引き抜く。距離にして5メートル以下。射撃が苦手なレルトでも外せる距離では無い。
「何やってんのよ!変態!」
レルトが引き金を少し押し込んだ時、ティファがビルノを罵りながら矢を射かけて来た。
彼女の矢は魔法により作り出した物らしく、レルトを追尾する。
「くそっ、簡単にはいかないね」
そう言いながら、パーテル造りの剣で矢を切り落としたレルトは近くにあった数少ない木の陰に身を潜める。
そこから相手を覗くと、
「何私の手間を増やしてんのよ!」
と、ティファに殴られていた。
(仲間だよね……彼らは?)
戦闘中にも関わらずレルトはそう思ってしまう。
「敵見つけました」
近くで声がすると同時に火薬を使わない魔法タイプの銃声が響く。
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