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「何もしてないわ。だからじゃない」
何を言ってるんだこいつは……。
「意味が分からないんだけれど」
「昨日の夜のこと、まさかもう忘れたのかしら？」
会話を聞いていた生徒があらぬ勘違いをしてしまいそうな言い方だな。こいつは人目を気にしないタイプの人間なのか？
「その言い方はなんだか危ない意味にもとれてしまうぞ……？というか！それを言うのは本来俺のはずだ！なんでお前が誇らしげなんだよ！？」
「いや、北条君が私の未来を照らしてくれたおかげで、少し舞い上がっていると言うか、テンションが上がっているというか……」
「それを俺にぶつけるな」
「冷たいのね。せっかくお礼をしようと思ったのだけれど」
「お礼？」
「友達になってあげようってことよ」
「……」
「……友達は、別にいらないな……」
「え？」
俺の目をまっすぐとみつめている。
「俺は、助けたいから助けた。それだけさ。だから、俺達の関係って、それまでだろ？俺は気にしなくていいからさ」
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