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「悪魔はそういう人間を探してるんだよ。近くに俺がいればよかったんだけれど……」
「あなたがいたって別に相談はしないだろうけれどね」
「わ、わかってるさ。俺がすぐに気付けるってことだよ」
「でも私は一生懸命魂を磨いたわ。勉強して、学級委員にもなって……。これなら確かに早くアナタに会いたかったわね」
どっちだ……。とは思ったのだけれど、口にしたらぶっ飛ばされそうだったので控えた。
「おかげで成績はトップだろ?それは無駄じゃないだろ」
「成績ワースト一位のアナタに言われてもなんとも思わないわよ」
〈コノ野郎……〉
「悪かったな、バカで!」
バカなやつは優等生に見下される定めにある。まぁさすがにここまで見下されるとは思っていなかったが……。
「別にバカといっているんじゃないわ。かわいそうだといっているのよ?」
「同情してんじゃねぇ!!」
コイツには優しさの欠片もないのだろうか。まるで貴族が農民を見るような、いや人間が犬を見るかのような目付きで俺をみてやがる。
悔しいを通り越して、悲しくなってくる。もう泣いていいかな……?
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