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「買い物?なんの?」
この街にはなかなかいい店がない。食べ物にしても文具にしても、使えなさを極めている。
「ノートが無くなりそうでね」
「ノートか……」
ノートならコンビニでも売ってる。いくらこの街でもノートくらいは売ってるはずだ。
「じゃあ書店でいいよな?」
「いえ別にアナタに案内してもらおうというわけではないの。アナタになってもらう力など無いというか……」
「そうなのか…?」
「ええ。ただ、どの書店にいくのが最短かをレクチャーしてもらいたいわけね」
「……それは一般的に道案内と言わないか?」
「違うわよ。だって書店がどこかは知っているもの」
〈コノヒネクレモノメ〉
「じゃあ北条君?ココ、どうなる?」
もちろん、というか当然というか、俺が答えられるはずもない。俺は常樹ではないのだから。
「…………bn=5n-4、よ」
「……は?」
後ろから何か聞こえる。
「び、bn=5n-4、」
これで違っていたら恨むぞ。いや恨む資格などにいのかもしれない。いやしかし話し掛けてきたのは常樹なのだから……
「よくできました」
そんな小学校低学年をあやすように言われた。
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