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ようやく昼休みを知らせるチャイムが鳴る。
昼休みになると俺は屋上へ向かう。人だかりは苦手だから自分の席では昼御飯をたべない。うるさいのもきらいだ。
屋上は本来立ち入り禁止なのだが、立ち入り禁止、つまり誰もこないということで、俺は授業をサボるときなどに使わせてもらっている。
教室に戻ると俺の席に1人の男子生徒が座っていた。
整髪料でたたせている髪型。常に気さくそうに笑みをうかべている目と口は好感がもてる。
〈俺デナイヒトナラバ〉
俺には無理だ。というか人が無理だ。馴々しい奴はもっといやだ。気さくそうなその男子はせわしなく話している。
誰とだ…?
まぁ予想はしていた。何故なら常樹は大人気だからだ。群を抜く美貌と気品がそうさせるのだ、と、かつて常樹は公言していた。
だから俺は机の上に次の授業道具をおいてその場から去ろうとした。先ほども言ったように、俺は馴々しい奴は嫌いなのだ。
〈第一印象デキメツケテシマッタノダガ〉
だからたとえ無断で俺の席を使っていても特に話しもせず、去るつもりだったのだ。
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