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「あっ!悪い!ココ、お前の席だよな。今すぐどけるから……」
「いやいい。使いたいなら、そうすればいい」
「え?マジ?悪いね、北条君」
〈コイツ、俺ノ名ヲ……〉
「………………あぁ」
「ちょっと」
会話をしたくない。で、即刻去ろうとした俺だったが、今度は学力トップ兼ひねくれ度トップが話し掛けてきた。
「アナタにききたいことがあるわ」
「なんですか?」
「なんで敬語よ」
「いや、なんとなく……」
「ふーん…………」
鋭い目付きで睨まれた。それだよ、その恐ろしさで俺は敬語を使ってしまったんだ。
この状況、まさに蛇に睨まれた蛙。そう、アナコンダに睨まれたミドリガエルとでもいおうか。
「私がアナコンダならミドリガエルなんて小物、食う気にもならないわね。睨み殺して、放置」
「人の心をよんでんじゃねぇ!今俺喋ってねぇだろ!」
「昔読心術を習っていてね」
「読心術ってそんな細かいことまでわかるのかよ!」
「冗談よ」
恐るべき、常樹。常にまわりを見下しているだけはある。
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