変ワリユク日常

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後ろで物音。 フルスピードでふりかえる。 『デリァァ!』 やられた……。俺の腹からは刃が突き出ていた。後ろから刺されたのだ、俺は。 「ぐっ………!この野郎!」 後ろに手を回し、相手の手首をつかんだまま刃を腹からひきぬく。大量の血液が逆流してくる。しかし手は離さない。そして相手に一撃。腹に渾身の力で蹴をいれた。ヤツは先程の俺よりもハイスピードで吹き飛び、地面に叩きつけられる。しかしそれでも勢いは死なず、人体の動きでないかのようにバウンドし、道路の真ん中へ転がっていった。地面のコンクリートは大きくえぐれていた。 「はぁっ、はぁっ、はぁっ」 視界がかすむ。血を流しすぎた。本当にヤバいかもしれない。 仮面が音をたてて砕ける。 気付くとヤツはいなかった。さっきとは違い、辺りには本当に俺しか居なかった。 「……行った、か」 俺は意識をもうろうとさせながら、血を垂らさないようにブレザーを傷にあてる。俺の家はもうすぐ。そのまま家へ帰った。
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