12人が本棚に入れています
本棚に追加
~台所~
琴姫「ようやく来たか坊…。」
台所に付くと割烹着を着た琴がおたまを持ったままふんぞり反っている。
ふとテーブルに目を移すとそこにはご飯に味噌汁…焼き魚に焼き海苔と言った如何にも日本の朝食といった食事(一人分)が並んでいた。
三影「毎朝、毎朝、ご苦労様です。」
そう言うと俺はテーブルのイスに座り、両手を合わせて『いただきます』と声を上げて料理に手を付けた。
琴姫「お代わりも沢山あるでな、たーんと食すが良いぞ。」
ガツガツと朝食を食べる俺を見ながら琴姫は誇らしげに胸を張っていた。
琴姫はナリは小さな座敷わらしだが家事全般のスキルは非常に優秀でこと料理(日本食)に至っては料亭顔負けの味付けをマスターしている…。
ちなみに本来なら妖怪の類いというのは基本的に物理的な物質には触る事は出来ないのだが琴姫は妖怪から“朧神”(おぼろがみ)という存在になっている。
“朧神”とは霊的存在が千年の時を重ねると半神半霊へと昇華した存在の事で、朧神になると自分の意思で物や人に触れる事が出来る様になるらしいのだ……。
最初のコメントを投稿しよう!