放課後の甘い罠

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そして会話がだんだんなくなって、教室の中が静まりかえったとたん、彼の言葉で一気に静まりかえっていた教室の空気を掻き消した。 「なぁ。」 「何?」 「…」 「何よ。」 そう言って彼の方に体を向けると、いきなり彼は私を抱きしめた。 私は一体何が起こったのか分からず、 「ちょっと!?離してよ!」 「嫌だ。」 「何でよ!!やめてっ」 そう言って私は彼の腕を振りほどこうとするが、やはり男だ。簡単にはほどけない… すると彼は私の耳元で囁き、 「俺は、テメェが好きだ。」 彼の腕の力はより強く、私を抱きしめ、離さない。 私の顔はきっと真っ赤になっているだろう…と、自分でも気づいていた。 彼は強く抱きしめていた私の体を離すと、彼の顔が少しずつ近づいてきたのだった。 彼の目はいつにも増して真剣な目で、私の目を見つめていた。 ドキドキ、ドキドキ 私の心臓の鼓動は、聞こえそうなくらいドキドキしていた。 私は恥ずかしくなり、顔を背けようとしたが彼は、 「俺の目を見ろ。俺は真剣だ。テメェのことがずっとずっと好きで…触れたかった。だから今俺はこうして抱いている。」 すると彼の顔は私に近づいて………。 私の唇に優しい何かが触れた。 彼の唇の感触は、とても優しくて、暖かかった。 ーー…ー そして一体どれくらいの時間が過ぎたのだろうか。 私たちは、その優しい時間が夢のようでならなかった。 窓から差している日の光は、私たちを優しく照らし続けていたのであった。
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