東中新聞 社会面

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12月18日付 「二人組強盗また現れる」 ○○市中央4-8-2 『ゲーム買取りショップ・ラグーン』で閉店間際の犯行 防犯ベルの音に驚き犯人逃走の為、被害の品は無し 店主S氏の話 「あの日の夜は、妻が店番してましてね。 ご覧の様に小さい店ですから、店番は私と妻の二人でやっているんですよ。 その時はたまたま、私がトイレに行ってまして……」 「いえいえ、うちは中古のゲームソフトやコミックを扱う店ですから、棚に並んでいるのは空のケースばかりなんです」 「そう、中身はカウンターのこちら側に保管してます。 おかげで、被害は無かったという訳です」 「えぇ、二人でした。 店に入って来たのは一人だった様ですが……」 「妻がナイフで脅されましてね、カウンター下にある防犯ベルのスイッチを入れたんですよ」 「いえいえ、私の手作りです。 スイッチを入れると、そこのスピーカーから大音量のベルの音がね」 「そう、その音がしたので、私も慌ててトイレから駆け戻りまして」 「えぇ、店から飛び出した時には、二つの人影が走り去って行くのが見えただけで」 「妻ですか? 生憎、あれ以来寝込んでいまして」 犯人は、先の二つの事件と同じ様な変装もしていたという。 やはり同一犯なのか。 被害に遭われた方は、体調を崩してしまわれました。 本紙では、この犯人に対し憤りを憶えています。 当局の早急な捜査を望みます。
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