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かけてもらった眼鏡を直していると壱伽の顔に赤い小さな切傷ができてる事に気づく。
恐らく平手打ちされた時に爪で引っかかっれたのだろう。
「あの、これよかったら使ってください。」
ポッケからピンク色した絆創膏を一枚取り出すと壱伽に手渡した。
「絆創膏?」
「ここ、血出てますよ。」
自分の頬を指しながら言った。修羅場を目撃してしまったせめてもの償い。
「それじゃ、失礼しますっ!」
それからそそくさと逃げる様に出て行った。
学園の王子様とまさか自分が会話するなんて、思ってもみなかった。
「………」
貰った絆創膏をなんとなしに見つめる壱伽。この時はまだあの少女と自分が深い関わりを持つとは思いもしなかった。
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