第一話

7/10
前へ
/64ページ
次へ
「あの白い物体を見てはならん!みたのか!?お前、その双眼鏡で見たのか!?」 と、普段は優しい祖父が凄い剣幕で聞いてきた。 僕は、戸惑いながら 「いや・・まだ・・」 と答えると、祖父は「よかった・・」と言い、安心した様子でその場に泣き崩れた。 家に帰ると、 みんな泣いている。 よく見ると兄だけ狂った様に笑いながら、まるであの白い物体のように、 くねくね、くねくねと 踊り狂っている。僕は、笑いながらひたすら踊る兄の姿に、あの白い物体以上の恐怖感を覚えた。
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!

283人が本棚に入れています
本棚に追加