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駅までの道のりで、ハルカがひまわりみたいに笑った。
「ユウヤ、明日から旅行なんでしょ? 気を付けなよ、それ!」
そう言って、もうTシャツで隠れていた胸元を指差した。
「まぁ、男の子だから大丈夫だろうけど…!」
タケルは素知らぬ顔だ。
ユウヤは曖昧に笑った。
改札口でハルカが、ユウヤにハグした。
それからタケルに手を振った。
「また遊びに行ってもいい?」
タケルは、親指と人差し指で丸を作ってみせた。
笑顔を残して改札口の向こうに消えたのを見送ったあと、ユウヤはタケルを睨み付けた。
「どーすんだよ!」
「何が?」
「コレだよ、どーゆうつもりだよ」
ユウヤは自分の胸を親指で差した。
「えっと、オレのだって“しるし”的な?」
「意味わかんねー」
「…服脱ぐとき、オレの事思い出してね」
「………。」
「ユウヤ、結構薄情だから。忘れられそうだし」
「馬鹿じゃねぇ。たったの三日間だろ?」
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