スイートホーム

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ユウヤの乗る電車の案内アナウンスが聞こえてきた。 「ちゅーしていい?」 顔を寄せながら、タケルが言った。 「は?」 「じゃ抱きしめていい?」 「……」 「じゃあ…手繋いでもいいですか?」 タケルの意図がわからず、ユウヤは首を傾げた。 「オマエなに言ってんの?」 「あ、もしかして、ユウヤってツンデレ?」 「……ツンでもデレでもねぇよ。普通!」 思わず声を荒げた。 乗降客が不思議そうに、二人を横目で見ながら通り過ぎる。 慌ててひとつ咳払いをすると、ユウヤは改札口を通り抜けた。 「じゃあな!」 ユウヤが手を振ると、タケルも手を上げた。 見届けてから、ゆっくり歩き出した。 「ちゃんと帰って来いよ!」 タケルの声にもう一度振り向くと、唇の端を持ち上げてシニカルな笑みを作っていたタケルの目が、なんだか淋しげに見えた。
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