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タケルは目を丸くして、改札口をもう一度通り抜けるユウヤをポカンと眺めていた。
いつだって、何事にも動じないポーカーフェイスが見事に崩れたのが可笑しくて、思わず笑みがこぼれた。
「やっぱ家帰んの止めた。大学生にもなって、親と旅行もねーじゃん」
「……だって…かーちゃんうるせンだろ」
「いーよ、勘弁してもらう」
そう言って、タケルの頭をワシャワシャと撫でた。
「帰ろーぜ」
笑ってユウヤが言うと、クシャっと崩れた笑顔でタケルも応えた。
「…ボロっちいアパートに?」
「ボロっちいスイートホームに」
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