日常の朝 ―Day1―

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『おはよう』 『あら、おはよう。自分で起きてくるなんて珍しいわね』 『珍しい…って、昨日起こしてくれなかったじゃん。 だから今日は自分で目覚ましセットしたんだよ!』 『あら、そんな事もあったわね~懐かしい…』 『昨日の話だよ!!』 そんな母ちゃんとのやりとりを聞きながら 妹も二階から降りてきた。 『朝から うるさいわねぇ。お兄ちゃんも、そんな昔の話をもちだして』 『昨日の話だよ!!』 うちは世に言う母子家庭ってやつで 母ちゃんと妹の三人暮らし。 俺(聖珠)は高校二年で17才。 妹(優美)は俺のいっこ下の高校一年。出来の悪い俺とは違って頭がいい。だから、もちろん高校は別だ。 母ちゃんこと瞳。名前は可愛いが どこにでもいる普通のポッチャリとしたオバチャン。 歳は五年ほど前から38才で止まったままだ。 『せっかく起こしてあげたのに遅刻するわよ!』 『おっ、ヤバッ! 行ってきます…って、起こしてねーだろ!』 俺は急いで家を出た。 .
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