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『今日も授業疲れたなぁ』
授業が全て終わり、鞄に教科書を詰めながらそんな事を考えていると
『よぉ!!アキラ!!部活行こうゼ!!』
ドアを蹴破らんばかりの勢いで登場した男、この男は亮介。俺ことアキラの友人である。
『あ?俺は疲れたから帰んだよ』
疲れていたから帰って早く休みたかったので多少キツい言い方になってしまった。亮介は少ししょんぼりしながら
『そうか…。なら部活行こう!!』
聞いちゃいなかった…。
このままだとラチがあきそうにないので仕方なく了承する。
『わかったよ。行くよ。』
『よっしゃ!!じゃあさっさと行くか!!』
俺が通う学校は必ず部活に所属しなくてはならないという少々面倒な校則がある。俺は亮介が所属している芸術部にくっついて入部した。芸術と言ってもそんな大層な事はやっておらず絵を描いて皆で批評したりする部活である。
『こんちわッス~』
スライドのドアをガラリと開けると部長の真琴さんと深雪さんがいた。
『やぁ、来たね。』
と真琴さん。
『こんにちは。アキラさん、亮介さん。』
とこちらは深雪さん。
『こんちわッス。』
俺は二人に軽く会釈した。それから定位置である窓際の席へと座った。亮介は隣の席に座っている。『なぁ、ハラ減らね?』
亮介が聞いてくる。
『確かに腹減ったなぁ…』昼はしっかり食べたのだが食べ盛りの俺の腹は間食を求めている。
『ん?お腹すいたのかい?』
真琴さんが聞いてくる。
『いやぁ、昼はしっかり食ったんスけどね』
そう俺は答えた。すると真琴さんは
『夕食までにお腹がすいたら『しっかり』とは言わないよ』
笑われてしまった…
『よし、そんな腹ぺこな君に任務を与えよう。深雪君、例の物を…』
真面目な顔で深雪さんに話しを振る真琴さん。
『ふぇ?』
どうやら聞いていなかったらしい。
『いや、いい…。ではアキラ君、このリストにある品を買ってきてほしい。』
。リストを受け取り内容を確認すると
(ポテチ…のりしおやコンソメパンチよりうす塩が好ましい)やら(ジュース…炭酸より紅茶(ストレート)が好ましい。やむを得ず炭酸の場合はカロリーオフの物にする事)etc…etc…どうやら任務とはお使いの事だったようだ。しかも注文がかなり細かい…
『では、頑張ってくれたまえアキラ君。』
どこかのスパイ映画の局長みたいな台詞で真琴さんが言う。
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