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「……最低!!」
そう思われても仕方ない……
わかってる、俺はそれだけの事をしている……
※
今ここ月宮学園には満開の桜が新入生を迎え入れるように咲いている。
そんな風景の中には新入生である俺も……まあ、左の眉毛が無くなってはいるが、少なからず溶け込んでいるのであろう。
――だが彼女は違う。
彼女がその風景の中にひとたび入れば満開の桜すらかすみ、周りのモノすべてが彼女の引き立て役と化すからだ。
彼女は肩口までの綺麗な金髪を揺らし、大きな目を輝かせながら楽しそうに話している。
そんな美少女が話しかけている相手とは……なんと驚け、隣を歩いているこの俺だ。
「でね、カイ君が――」
なぜゆえ俺みたいな奴がこんな美少女と登校しているのか、だって?
それではまず、左の眉毛が無くなっている言い訳も同時にさせて欲しい。
※
「ス――…スゥ」
ピンポーン
「んっ…ス――」
ピンポーン
「スゥ……んがっ!?」
ピポピポーン
朝、ダンボールやオタグッズ……いや、雑貨品で散らかている部屋で目をさますとインターホンが鳴っていた。
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