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口を塞がれ、腕を押さえつけられ、殴られ、蹴られ…そして犯された。
何時間たったのかわからなかったし、自分がどういう状況なのか解らなかった。
解りたくなかった。
どうやって家に帰ったのかも覚えていない。
ただ、頭の隅で両親が共働きで良かったと、ぼんやり思った。
家に帰ってから、制服を見た。
濃紺の制服は、水を含んだような黒っぽいシミと、埃にまみれて白くなっていた。
自分の中に異物が入ってるみたいで気持ち悪い。
口の端も切れて痛いし、喉の奥は痰が絡まったような感覚がまとわりついていた。
胃液が込み上げて、目頭が熱い。
トイレでひとしきり吐いて、吐いて、吐いて…血が出るまで吐いた。
それでも舌に感覚が残って気持ち悪い。
シャワーを浴びて、皮膚が擦り切れるまで擦った。
お経を唱えるみたいに「気持ち悪い」と呟きながら。
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