0日目・1

6/6
前へ
/33ページ
次へ
日常に面白みを感じなくなってから私は、この駅に足を運ぶようになった。 誰もいない駅にいる事で、自分が少しだけ日常から切り離された気持ちになる。 そうして時々、自殺する勇気なんてさらさら無いのに線路をジッと見つめるのだ。 似非(エセ)自殺志願者を演じる事で、自分が普通の女子高生では無いと思い込むために。 ……こんな事をしても意味が無いのは分かっている。 だけど、そうしなければ自分の中で何かが崩れてしまいそうなのだ。 私は、そっと目を閉じた。 死にたい、訳じゃない。 だだこの日常から消えたい、とは思う。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加