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「このまま放っておいたらハデスはさらに力をつけて、必ずあなたの命を狙ってきます!!地へと落とされ、楽園と呼ばれるこのエデンから自分を追放したあなたを滅ぼし、自分が神となるために!!あなたはその時、そのままハデスの配下につくと?光の神である貴方が、今や闇の神となり多くの使徒を騙し悪霊への道を導いているハデスの!?」
男は黙って立ち上がると窓際まで歩き、その扉を開き空を見上げる。
雲一つ無く永遠と続く青空を。
「見ろユーズ……この青い空を!その下に広がる美しい大地を!私はここで暮らす者全てが平等で、平和であってほしいと願っている。そしてそれは自然な形であってほしいのだ……だから私はなるべく干渉してはいけない、分かるか?」
女、ユーズ・エンド・ラグーンが再び叫ぶ。
「しかし!」
「そう……今はそんなことを言っている場合ではない、それくらいは私もわかっているつもりだ」
「ではどうするおつもりですか!?」
机を回り込み男の肩をつかんでユーズが苛立ちをぶつける。
しかし男はそれを落ち着かせるように小さく、そして優しく笑いかけたのだが、それが逆に腹が立ったのかユーズがさらに顔をしかめた。
「笑ってごまかすおつもりですか?」
「あのなぁ……まぁいい、たとえハデスに着いている者達が理解してくれなくとも、全ての平和のために私はハデスを討つ。天と地、分かり合うのはそれからでも遅くはないと信じている……これはきれいごとかな?」
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