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「何で……」
少年が小さくつぶやいて、何かぼやけている記憶を呼び戻す。
それは噂の真相を確かめるため、とかだったような……何かが引っ掛かっている。
「そもそも幽霊を確かめたいって言い出したのは委員長で、クラスの奴ら全員行きたいとか言ってたくせに……実際ここ来たの俺だけかよ!?」
少年が裏切ったクラスメート達を恨みながら、一人騙されて来てしまった自分を呪う。
「てか中三で受験生の方々が、んなことクラス全員で言い出すなんて変だとは思ったんだ!」
そもそも自分はこんな所に来たくはなかったのに、クラスの女子達に良いように乗せられて……まぁ、みんないるからいいだろとか思って来てみたのに、集合時間になっても誰も現れなかったのだ。
そこで帰れば良かったものを……
「行ったのに入らないなんてなんかビビってるみたいで悔しいし、はぁ……つまんねぇ意地は張るだけ損っていつもじいちゃんに言われてんのになぁ」
そうつぶやいて少年がハッとする。
「なるほど……やられたわぁ」
きっとみな少年のこうゆう性格を知っていて自分達の代わりに噂の真相を確かめてもらうためにハメたのだろう。
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