似合わない

8/8
前へ
/38ページ
次へ
永垣家。 まるでそこは西洋の城みたいな所だった。 「うひゃあ、オレ場違いだな。」 「そうですね亜弥さん。」 「むぅ!」 朝日は無意識だが毒舌だ。 「それで私の家に何の用ですか?」 オレは少し時間が止まった。 「すっかり忘れちまってたぜ。 なあ、台所と材料貸してくんねえか?」 「いいですよ。 やっと亜弥さんもその気になってのですね。 バレンタイン用ですよね?亜弥さん。」 「お、おう!」 オレは恥ずかしそうに顔をそらす。 「オレには似合わねーよな。」 「はい、亜弥さんに全く持って似合わないませんよ。」 「うっ…………。」 オレは顔を青くする。 「亜弥さんには似合わなすぎて可愛いですよとっても。」 朝日は笑いながらエプロンを付けオレにもエプロンを渡す。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加