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永垣家。
まるでそこは西洋の城みたいな所だった。
「うひゃあ、オレ場違いだな。」
「そうですね亜弥さん。」
「むぅ!」
朝日は無意識だが毒舌だ。
「それで私の家に何の用ですか?」
オレは少し時間が止まった。
「すっかり忘れちまってたぜ。
なあ、台所と材料貸してくんねえか?」
「いいですよ。
やっと亜弥さんもその気になってのですね。
バレンタイン用ですよね?亜弥さん。」
「お、おう!」
オレは恥ずかしそうに顔をそらす。
「オレには似合わねーよな。」
「はい、亜弥さんに全く持って似合わないませんよ。」
「うっ…………。」
オレは顔を青くする。
「亜弥さんには似合わなすぎて可愛いですよとっても。」
朝日は笑いながらエプロンを付けオレにもエプロンを渡す。
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