不釣り合い

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二○一○年二月十日水曜日。  アイツを好きになってどれくらいが経つのでしょうか。  灘風高校に入って出逢い。  時は既に三年の二月まで過ぎてしまいました。  オレ、片桐颯斗【カタギリ ハヤト】はある一人の女の子に恋をしていました。  もうすぐバレンタインですか。  一昨年も去年も、オレはバレンタインになると大量のチョコレートを頂きました。  直接渡してくる人達の中には、アイツはいません。下駄箱や机やロッカーの中のチョコレートの贈り主の名を見ても、アイツの名はありません。  放課後はよく女子に手紙で呼び出しされるだけどアイツはオレを呼び出しません。 「オレの……オレのどこがいけないのでしょうか?」 「喋り方」  今、オレに喋り方と指摘した男。名は加賀翠斗【カガ スイト】一応、オレの友人であるが少し毒舌です。 「颯斗、生徒会、収集」 「そうでしたね」  そしてオレは、アイツのいる生徒会室に向かいました。
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