8/15
前へ
/18ページ
次へ
私はベッドに座ったカナの隣に腰を下ろした。それでもカナは私に気付かない。 私は薄々感じ始めていた考えを頭の奥に追いやり、カナの横顔を見つめた。 私の親友。大切な友達。私、カナを泣かせるような事した……? カナは俯いて、もう一度ごめんねと呟いた。 私は、私の体は、私の脳は、その次に発せられた言葉に反応した。 ――私のせいで。 その瞬間、全てが、今までの自分の全てが私に流れ込んできた。 父の顔、母の顔、おばあちゃんの家、得意料理。……そして、カナの涙の理由。 ――私とカナは小学生の頃からずっと一緒だった。中学に上がってもその関係が切れることはなかった。あり得なかった。あり得ないハズだった……。 女子は仲の良い者達で集団をつくるものであり、それは大げさに言うと派閥みたいなものだった。 私とカナはどのグループにも属しておらず、いつも二人で行動していた。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加