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私は、逃げちゃダメだと必死に自分をおさえる理性を無視して、食べかけの弁当を残したまま教室を出た。 唇を噛み締めながら廊下を歩いていると、涙が床に落ちた。私は泣いた事に悔しくなって更に込み上げてきた涙を、歯をくいしばって必死に押し戻した。吐き気さえ襲ってきた。 そして、私は逃げようと思った。この虚しい現実から、自分から、カナから、逃げてしまおうと、そう思った。 楽になる。楽になれる。何も考えないで済む。孤独を悲しむ必要もない。 そうだ、逃げよう。生きる事から。たくさん居る人間の中で、私一人居なくなったって何も変わらない。誰も気にしない。 私は自分の意思で死を選ぶ。 数日の後、私はベッドの中で泣きながら、買ってきた大量の睡眠薬を飲んだ。 そして、深い深い眠りについた。
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