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そっとカナの白い頬に触れてみるが、感触はなかった。私はこの時になって初めて、自分の手が薄く透き通っている事に気が付いた。 私はもうじき消えるのだろう。その先は、天国か地獄か……。ぜったい天国が良いけど、自分で自分を殺した罪は重いよね。天国と地獄、どっちにしても私は消える。 「ごめん。私が裏切ったから」 カナが、閉じた目からまた涙を溢れさせながら言った。私は否定しようと口を開いたが声が出なかった。 もう、消えるのだろうか。口をぱくぱくしてみたが、音を発せず諦めて口を閉じる。 そして、心の中でカナに話しかけてみる。 「ほんとはちょっと、寂しかった。でも、裏切られたなんて思ってない。あの時、エリカ達が笑ってる中でカナだけは笑ってなかった事、ホントは気付いてた。でも、気付かないフリしてた」
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