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目が覚めると、いつになく体が軽かった。自分の体じゃないような、不思議な感覚。
気分も良い。
ゆっくり体を起こし、ベッドから降りる。
今日何曜日だっけ……。学校行かなくちゃ。顔を洗って、歯を磨いて、制服に着替えて。
やらなきゃイケない事がいっぱい頭に浮かぶ。
しかし、どうした事か体がそれに従わない。
私の両足は床と接着剤でくっついたみたいに、全く動かなくなっていた。
棒のように床に立つ足を見つめ、眉をひそめていると急に右足が前に出た。
意思に関係なく足が動く。まるで、足だけ誰かにリモコンで操作されてるみたいだ。
私は小さな悲鳴をあげながら階段を下り、そのまま靴も履かずに外に出た。
勢いのある風が頬を打つ。
何やってるんだろう……。まだ顔も洗ってないし、歯も磨いてない。着替えだってしてないのに。
私は自分の足を睨み付けた。
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