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階段を上ると、カナが部屋の前でうずくまっていた。 私の足はそこで自由を取り戻した。カナに声をかけようとして、足を止める。どうやらすすり泣いているようだ。 カナはまた、私の名を呟いた。そして震える声でごめんねと続けた。 カナは私の親友だ。 そうだ、思い出した! 小学生の頃からずっと一緒で、高校も同じ所に行こうねって約束してた。カナは私の親友だ。 でも、どうして謝るの? なんで泣いてるの? ねぇ……教えて、カナ。 カナは私の方を見向きもせず、ゆっくり立ち上がって部屋に消えた。 私はほとんど無意識に、その後に続いて部屋に入った。 懐かしい匂いがした。ピンクのカーテン。ピンクのベッドシーツ。そういえばカナは、ピンクが好きだったよね。
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