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たわいのない日常が過ぎ……
冬休みが始まる前日の終業式
麗が急に俺を避けるようになった……
いつも通り、朝早く学校に行き
いつも通り、教室に入る
いつも通り、自分の席に座る
俺の隣は麗
「よっ、麗」
いつも通り、笑って挨拶をする
すると、麗はいつも通り、笑って返してくれる
はずなのに……
「…………」
俺の顔をちらっと見れば机に視線を落とした
「麗……?」
悲しい事があったのか……?
そんな事を思いながら手をゆっくり麗に向かって伸ばす
すると
「っ、……」
麗は唇を噛んでは俺の手から逃げるように立ち上がり教室を出て行った
俺は行き場をなくした手をぎゅっと握り締め、机を殴った
――――ドンッ
机を殴った音がむなしく教室に響いた……
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