傷んでも人間

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心地良い、そう思っているとコンコン、とガラス戸が鳴る。 「あんた出て」 慌てて戸を開けると、ワイシャツを着たサラリーマンらしき人が、一瞬驚いた様な顔をした。 「先生は、いらっしゃいますかね」 汗を拭きながら男は言う。 「先生…?」 しどろもどろになる僕を抑えて、男は上がり込んだ。 「勝手に入るなっていつも言ってるじゃない、アンタ非常識だわ。」 男が女の居る部屋に入ってすぐに、そんな声が聞こえた。
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