始まりの時……

6/6
前へ
/154ページ
次へ
同・見学室 「すげー、火器使わないで勝っちゃったよ」 「そうだよね。しかも今年の最優秀者は、歩兵期間免除で愛機にダブルアームリザードがもらえるんだってー」 「いいな~、絶対あの『参』に乗ってる人じゃん」   壁の一つをガラス張りにした部屋の中で、アルバより1~2歳若い少年少女たちがガラスの向こう側の下、今までアルバたちが闘っていた部屋を見ながら感想を語っていた。 この部屋は、もともとは大型倉庫だった格闘場に隣接していた管理室を改装した部屋で、二部屋あるうちの一部屋は生徒用、もう一部屋は講師用の評価室となっていた。 そして―― 「……あの子にしましょう」 ――講師用の部屋からTシャツとジーパンの、長く美しい金髪の女性がガラス越しに見えるアルバを見ながらそう呟くのだった。
/154ページ

最初のコメントを投稿しよう!

53人が本棚に入れています
本棚に追加