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「ほう、『彼女たち』……か……面白い言い方をするのー」
「……おかしいかな」
「…………たしかに科学者としてはおかしいじゃろう――」
老人が手を止め、ユリヤの方へ向いた。
「―――じゃがな、わしの弟子としてはおかしくないと思うぞ」
「……そう……だよね」
「うむ」
老人がうなずいてユリヤの頭をなでた。腰の曲がった老人の背ではユリヤの身長にすら届かなく、手自体も小さいためにそんなになでられなかったが、ユリヤにはその手がとても大きく、とても温かく感じられた。
「それでは、始めるぞい」
「はい!」
床に散らばる設計図を踏みつけながら老人とユリヤの二人は『彼女たち』がいる部屋の隅に向かう。そこには全身がぼろぼろで、中には四肢が無いものもあったが、
ブレードライガー、ジェノザウラ―、ストームソーダー といった各国の軍事ゾイドたち・『彼女たち』と大きな正方形型の金属の塊があったのだった。
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