第一章  探究者との出会い

3/5
前へ
/154ページ
次へ
「ほう、『彼女たち』……か……面白い言い方をするのー」 「……おかしいかな」 「…………たしかに科学者としてはおかしいじゃろう――」  老人が手を止め、ユリヤの方へ向いた。 「―――じゃがな、わしの弟子としてはおかしくないと思うぞ」 「……そう……だよね」 「うむ」 老人がうなずいてユリヤの頭をなでた。腰の曲がった老人の背ではユリヤの身長にすら届かなく、手自体も小さいためにそんなになでられなかったが、ユリヤにはその手がとても大きく、とても温かく感じられた。 「それでは、始めるぞい」 「はい!」   床に散らばる設計図を踏みつけながら老人とユリヤの二人は『彼女たち』がいる部屋の隅に向かう。そこには全身がぼろぼろで、中には四肢が無いものもあったが、 ブレードライガー、ジェノザウラ―、ストームソーダー といった各国の軍事ゾイドたち・『彼女たち』と大きな正方形型の金属の塊があったのだった。
/154ページ

最初のコメントを投稿しよう!

53人が本棚に入れています
本棚に追加