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「降りてみねえ?」
「ダリーよ。てかこんな訳わかんねえ所さっさと抜けようぜ」
「これがドライブの醍醐味ってやつだろ。降りんぞ」
路肩に停車し友達は降りてしまった。
友人も渋々、後に倣った。
シャッターに妙な物が描かれていた。
巨大な顔。
老若男女、様々な顔。
絵にしては写実的で生々しい。
各シャッターに一人の顔が描かれている。
「おい!この顔よく見ながら歩いてみ!」
「嫌だ。早く行こうぜ、気持ち悪りーよ」
「いいから!見てろって!目だぞ目!」
溜め息を吐きながら言われた通りシャッターの顔の目を見ながら歩く。
絵の眼球がこちらの動きに合わせて動く。
えっ……?
思わず立ち止まる。
無表情なその絵は瞬きをした。
「おい!早く行くぞ!」
友達の肩を掴む。
「いいなあー、おれここにひっこしちゃうかなあー、みーんないいひとだしー、ひっこーしひっこしー」
歌う様なおかしな調子で譫言を繰り返す友達を車に詰め込み、車を無我夢中で走らせた。
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