菜月の暴走

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俺は4月初旬だというのに珍しいポカポカ陽気に、気づかないうちにウトウトしてしまった。 入学式の時はあんなに極寒だったのに… 「へっ…くしょん」 俺は自分のくしゃみで目を覚ました。 さみっ… どのくらい寝入ってしまったのだろうか… いつの間にか真上にあった太陽は傾き、冷たい風が吹き出していた。 慌てて起き上がると見覚えのない制服のジャケットがかけてあるのに気がついた。 誰のだ? サイズ的に女もの? 周りを見渡してみると、真横にスヤスヤと女子生徒が眠っているのに気がついた。 俺とは逆を向いて横たわっているから顔はよくみえないが、Yシャツ一枚で眠るこの子が、どうやら俺にジャケットをかけてくれたようだ。 普通、このせまい空間で知らない男の隣で寝るか? つうか立ち入り禁止なのになんで屋上なんかに来てんだよ。 たまたま、俺が鍵開けてたけど、普段は閉まったままだろ。
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