菜月の暴走

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いつにも増して教室が騒がしい。 「おっ…あの子かわいくね?」 「いや~よく見てみ。桜の木のとこの右から二番目。スタイルめっちゃいいべ。」 「ちょっとどいてよ。あんた達。かわいい新入生君が見えないじゃん。おっ!あの子イケメン!」 男も女も教室の窓から身を乗りだし、朝っぱらから新入生たちの評価に夢中だ。 今日は高校の入学式。 確か去年もあーでもない、こーでもないって騒いでいた。 「おっ洸(コウ)!お前も来てみ!!」 俺に気づいた淳也が、手招きする。 はっきりいって俺テキにはどうでもよかった。 だってついこの間まで中学生だったんだぜ? そんな女達に色気だのなんだのって期待もできねぇしな… でもあんまりにも淳也が、目をキラキラさせて手招きするもんだから俺は仕方なく窓の方へ歩いていった。
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