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「誰がトップクラスですって?」
「いていて…やめろって!まじいて―!」
俺の隣で耳を引っ張られている淳也がジタバタさわぎだした。
後ろを振り返ってみると恐ろしい顔をした菜月が淳也の痛がっている表情を満足げな笑みをふくんで見ていた。
こわっ…
「どうせこんなことだろうと思ったわよ!」
淳也の痛がっている姿に満足したのか菜月は耳を引っ張るのを止めて、窓の外を覗きこむ。
「どれどれ…どの子?」
なんだ…結局興味あるんじゃん…
そんな思いは心の中に置いといて、まだ痛がっている淳也をよそにさっきの女子生徒を探す。
「ん~っと。あれあれ、ちょうど理事長の像のとこ通った…」
「うっそ!やだ!ほんとかわいい!」
そういって菜月は俺の背中をバシバシ叩いた。
…いってぇよ…
「でも洸が気に入るなんて珍しいわね。年下に興味があるなんて知らなかったわ。」
いや…別に年上が趣味なわけでもないけど…
「俺は…別に…淳…」
そこまでいいかけて俺は口を閉じた。
必死で首を横にふる淳也が目に入ったから。
やれやれ…
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