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島村が差し出したのは、内定書だった。
俺の名前が書いてある。
・・・・なんでフルネーム知ってるんだろう?
「いつからでもいい。君が働きたくなったら明日からでも来て欲しい。」
島村は笑顔俺にそう言った。
「あの、何故俺に?俺よりも仕事の出来る人はたくさんいると思うのですが・・・。」
「いや、きみでないといけないんだ。どうだろう?」
このときの島村の顔は真剣だった。
島村の真剣なまなざしに驚きつつも俺は悩んだ。
どうしよう。
騙されているかもしれないけど、家族のために、俺自身のためにも働かなければ。
駄目元で働くか。
俺は決心して、明日から働くことを島村に告げ、内定書を受け取ると家に帰った。
家に帰ると俺は仕事先が見つかったことを家族に話した。
妻も娘も喜んでくれたが、
「もうクビにならないでね」
と、かなり痛い一言を受け、ただ苦笑するしかなかった。
いずれにしろ、こうして俺は株式会社未来商事の社員になった。
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