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しかし、家に帰った後も気になって、ずっと考えていた。
はっきり言ってこの会社は普通じゃない。
一体どんな客が何の為にあんなものを注文するのか。
あんなものを調達するだけの仕事で、なんで月七十万という給料が払えるのか。
考えれば考えるほど分からないことだらけで、余計に混乱した。
しかし、島村がそのうち教えると言っていたその言葉を信じて、明日からも調達に走り回るしかないと思い、早めに寝ることにした。
その頃、近藤はテレビモニターに映し出された島村と会話をしていた。
「明日話そうかと思うんだが、どうだろう?」
「いずれ話さないといけないのですから仕方ないですね。でも理解出来るでしょうか。もう少し待ってからのほうがよくないですか?」
「彼と話して思ったけど、彼は頭の回転は早いよ。最初は混乱すると思うけど、すぐに理解出来ると思うよ。」
「分かりました。では明日」
画面から島村の映像が消え、近藤はテーブルのボタンを押した。
テレビモニターが天井へ収納された。
「でも、私のことはまだ言えない。」
近藤は独り言のように呟いた。
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