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次の日、学校が終わり、俺はゆきと一緒に帰っていた。
俊一と帰らなかったのは勿論ゆきをデートに誘う為である。
いつも一緒にいるのに何故か緊張してしまう。
何緊張してんだ俺は…
よしっ…言うぞ!
一度大きく深呼吸をしてゆきに話しかける。
「ゆき、今度の土曜暇?」
「え?土曜?ごめん…暇じゃないや…」
予想外の展開…まさか断られるとは。
ゆきの言葉に態度ですぐわかるぐらいに落ち込んでしまった。
しかし、ゆきも俺が少し落ち込んでるのを察したのか、続けて話し出した。
「でも日曜は暇だよ、日曜じゃ駄目?」
それを聞いた俺は一瞬にして顔が明るくなる。
我ながら単純である。
「日曜で全然大丈夫!二人でどっか遊びにいかない?」
「二人で?俊一君とかは誘わないの?」
俺はその言葉にまた少し動揺してしまった。
「二人だと嫌か?」
「ううん、楽しみ。二人でどっかいくのとか初めてだね」
ゆきの言葉にほっとする俺。
俺ってどんだけ小心者なんだよ。
自分のあまりの小心者さに不甲斐なさを感じため息がでる。
「そうだな、どこ行くかはまた決めとくから、土曜にメールするよ」
「わかった、楽しみにしてるね」
笑顔をみせながらゆきが答えた。
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