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「どういう事なの? 入らなければ調査など――」
「正確には、『入れません』ですね」
ルナのどこか申し訳無さそうな発言に、さらに表情をしかめるクレア。
その後ろで手すりにもたれていたアレルヤは、大きな扉の全体を眺めながらルナではなくクレアに問う。
「あんたも初めてなのか?」
「えぇ、緊急会議を行っていましたので」
「流石、お偉い賢者様達だな」
度の過ぎた皮肉を込めたアレルヤの物言いに、クレアは無言を決め込んだ。
その態度をものともせず、アレルヤは続けてルナに言葉を向ける。
「とりあえず開けろ。見なきゃどうにもなんねぇよ」
ルナは小さく頷くと三人に背を向け、左右の取っ手を両手で手前に引く。
重苦しい唸りを上げてゆっくりと観音開きに開かれる扉。
そして、四人の前に現れたのは――
「ほう」
「こ、これは――」
「うぇ……気持ち悪い色……」
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