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「白賢者様、探偵様、お待ちしておりました。お疲れ様、エドワード」
ユニコーンの馬車から降りた四人を出迎えたのは、紫の制服に深緑のコートを纏った若い女騎士だった。
「この度はお忙しい中、時間を割いて頂きありがとうございます。私、聖騎士団碧騎士部隊隊長のルナ・モルガナと申します」
ルナは一礼してから爽やかに微笑み、アレルヤに右手を差し出す。
この僅かな立ち振る舞いと声から、美しさと強さを兼ね備えた女性だという事が判った。
一方でアレルヤは、差し出された手を一瞥してから、ポケットに突っ込んだ手を抜く事無く名乗るだけで、彼女の横を過ぎる。
そんな態度にルナは別段不快を覚えるでも無く手を引き、過ぎるアレルヤを振り返った。
「二時間後に再び大聖堂で会議が行われます。もちろん探偵様にもご出席頂きますが、それまでは現場検証という事でよろしいでしょうか?」
「あぁ、そのために来たんだからな」
「ありがとうございます。では案内しましょう。エドワードは?」
「私はここで待機させてもらう。おそらく力にはなれんだろう」
エドワードはそう言って、クレアに一礼してから馬車の中に戻っていく。
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