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「だ、だとしたら、更新試験は!?」
「あぁ、あれな。確かに俺名義だが、実際受けてんのコイツだからな」
さも当たり前かのようにそう言い放って、ハイネの頭を柔らかく叩く。
まんざらでも無い様子でハイネも笑顔を見せた。
その二人の表情を見て、クレアは顔を手で覆い、遂に膝を折ってしまう。
「誇大広告に、虚偽申請と不正行為……」
「く、クレア様!?」
床にへたり込み、アレルヤの所業に絶望するクレアの肩を抱くルナ。
そんな姿を何を感じているのか、冷めた目で見つめるアレルヤと、戸惑うハイネ。
「私の選択が……こんな、事になるなんて」
「おい、腕は確かだ。それはあんたが見た資料に載ってただろう。安心しろ」
「……」
「降ろしたきゃ降ろせばいいさ。だが困るのは白賢者、あんただぞ」
「っ……」
クレアは俯いたまま唇を噛む。
アレルヤの脅しとも取れる発言はもっともだった。
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