4人が本棚に入れています
本棚に追加
───ラ
───ラ
──ユラ!
「こらぁ!早く起きろ、叩き出されたいのか!」
「はいぃぃぃぃぃぃ!」
いきなり耳元で聞こえる怒号。ユラ、と呼ばれた少女は、その声で弾かれたように立ち上がった。
と、同時に周りからは忍び笑いが漏れる。
「全くお前はいつもいつもいつもなんで俺の授業だけ寝るんだ?歴史は最重要科目だぞ!」
ばんっと音を立てて机を叩く先生。
「ふるきを知り新しきを知る、以て師となるべし……いにしえのことを知ってこそ、この呂帝国に愛着をもち、かつ誇りが持てるんだ!
もうこの言葉を何回聞かせたか分から…って寝るなぁ!」
「…んぁ」
そこでユラはもう一度現実に引き戻された。どうやら立ったまま寝ていたらしい。
「貴様は…はぁ、余程おれに怒られたいらしいな。放課後、職員室にこい!」
最初のコメントを投稿しよう!