普通の中の日常

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───ラ ───ラ ──ユラ! 「こらぁ!早く起きろ、叩き出されたいのか!」 「はいぃぃぃぃぃぃ!」 いきなり耳元で聞こえる怒号。ユラ、と呼ばれた少女は、その声で弾かれたように立ち上がった。 と、同時に周りからは忍び笑いが漏れる。 「全くお前はいつもいつもいつもなんで俺の授業だけ寝るんだ?歴史は最重要科目だぞ!」 ばんっと音を立てて机を叩く先生。 「ふるきを知り新しきを知る、以て師となるべし……いにしえのことを知ってこそ、この呂帝国に愛着をもち、かつ誇りが持てるんだ! もうこの言葉を何回聞かせたか分から…って寝るなぁ!」 「…んぁ」 そこでユラはもう一度現実に引き戻された。どうやら立ったまま寝ていたらしい。 「貴様は…はぁ、余程おれに怒られたいらしいな。放課後、職員室にこい!」
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