magic on treasure

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magic on treasure

―――――八月、某日――――― 三十五度を越えようかという気温 容赦ない熱を浴びせる太陽 遠くの方からは蝉の合唱が聞こえる しかしそれは遠くの方からだけ 此処は森の中だというのに全く鳴き声がしない いや、生物の気配がない その静寂に踏み込む足音が一つ 「見つけた」 頭の上の古ぼけた帽子で陰り、顔は見えない だが確かに不敵な笑みを浮かべて 目の前にある洞穴へ入っていった
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