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「すいません、1‐Fなんですが場所って……」
「なんだ?初日から遅刻とはずいぶん余裕だな!あの列だ、ほら急げ」
そう言うと近くにいた教師は奥の方を指差した。
「あっちって……どっち?」
「お前の目は節穴か?看板を見ろ!」
苛立ちと呆れの混じった声で言うと彼は腕を組んで壇上の男性へと視線を移した。
少年は溜め息を吐くと後ろから周って1‐Fの生徒が並ぶ場所へと向かった。
最後尾に並ぶと目の前の少女が急に振り返り言った。
「あら、遅刻?はじめまして私はジーンよ……あなたは?」
「……俺か?」
「あなた以外に誰がいるのよ?」
ジーンはクスクスと笑うと、返答を待っているのか黙ってしまった。
「俺はディラン、よろしくな!」
軽く挨拶を終えた時、周囲の喧騒が静まった事にディランは気付いた。
どうやら壇上に上がった教師が話し始めていたようだった。
「本日は入学おめでとう!私からは軽く今日の予定を知らせるぞ!」
その教師が話した内容こうだった。
今後ハンターとして使用する武器を決めて報告する事。
あくまでも学ぶ目的の為、使用武器は途中で変えても問題ない事。
(要は一つの武器を極めていくか、いろいろな武器を使いこなすかを決めておけって事だな)
ディランは腕を組み、静かに目を閉じた。
(武器に関しては決める事は無いが、いろいろ使えるってのもいいな。悩むな……)ディランの悩みとは真逆に、新入生の中にはまったく武器を使えないど素人もいる。
その理由はごく単純なもので、今までハンターとは無縁の生活を送ってきた者もいるからだ。
この国ではそういった一般人でも訓練が受けられて、ハンターになる事ができる制度があり、それがこういった学校なのだ。
「以上!」
話が終わると次にきつそうなスーツに体を収めたたくましい体つきの教師が現れた。
彼は一、二度咳払いをすると、大きく息を吸い込んで話し始めた。
「おはよう諸君!私は校長のイオンだ!厳しくも楽しい充実した学校生活を送れるよう祈っているから皆頑張るのだぞ!」
彼は満足そうにおじぎをすると、その場から立ち去った。
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