1.召喚

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   * * *  ――そこで思った。 これって夢じゃね?  夢の中で夢を見ることだって、たまにある。 支離滅裂でも納得できる。 「帰る方法とかは……」 「今のところ、無い」 「まじで? やってらんねーよ。 ……寝るか」  そう言って俺はベッドに背中から倒れこむ。 「……帰れないんですよ?」  茶髪少女は無表情から、わずかに驚きを滲ませた表情になって言った。 「そのうち帰れるだろ」  ベッドでごろごろしながら、この夢の元ネタは何だろうかと、頭の中で映画やドラマの名前を挙げていく。  白髪に腹が減ってないかと聞かれたので、少し減ってると答えたら 「ナギ君、君はもう帰りなさい」 と、茶髪に向かって言った。  はい、と言って茶髪=ナギはドアを開けて出て行く。 「それにしても驚いたよ。もっと錯乱すると思ってたからね」 「図太いんですよ、俺は」  適当に言った。多分嘘。  言葉が通じるなら何とでもなりそうな気がする。 「さて、食堂に行こうか。私が奢るよ」 そう言って出て行く白髪に続いた。    * * * 飯は鶏肉と野菜を焼いた単純な物だったが、うまかったとだけ言っておく。  便所に言ったりした後、薄暗い部屋に戻らされた。  明日、世界について話すらしいが、正直どうでもイイや。  起きたら夢から覚めてますようにと思いながら、ベッドに潜る。 7日間ずっと寝てたらしいが、意外と眠れ……  ……………………。
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