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* * *
――そこで思った。
これって夢じゃね?
夢の中で夢を見ることだって、たまにある。
支離滅裂でも納得できる。
「帰る方法とかは……」
「今のところ、無い」
「まじで? やってらんねーよ。
……寝るか」
そう言って俺はベッドに背中から倒れこむ。
「……帰れないんですよ?」
茶髪少女は無表情から、わずかに驚きを滲ませた表情になって言った。
「そのうち帰れるだろ」
ベッドでごろごろしながら、この夢の元ネタは何だろうかと、頭の中で映画やドラマの名前を挙げていく。
白髪に腹が減ってないかと聞かれたので、少し減ってると答えたら
「ナギ君、君はもう帰りなさい」
と、茶髪に向かって言った。
はい、と言って茶髪=ナギはドアを開けて出て行く。
「それにしても驚いたよ。もっと錯乱すると思ってたからね」
「図太いんですよ、俺は」
適当に言った。多分嘘。
言葉が通じるなら何とでもなりそうな気がする。
「さて、食堂に行こうか。私が奢るよ」
そう言って出て行く白髪に続いた。
* * *
飯は鶏肉と野菜を焼いた単純な物だったが、うまかったとだけ言っておく。
便所に言ったりした後、薄暗い部屋に戻らされた。
明日、世界について話すらしいが、正直どうでもイイや。
起きたら夢から覚めてますようにと思いながら、ベッドに潜る。
7日間ずっと寝てたらしいが、意外と眠れ……
……………………。
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