2.夢遊

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 チチチッ――と小鳥のさえずりらしき音で目が覚める。  徐々に目を開けていくと、カーテン越しに入る日の光が部屋を満たしていた。 「ん、んー……」  康太はうとうとしながら壁に一つあるカーテンを開け、小さな正方形の窓を見る。 窓の向こうには、森が広がっていた。  ……目をガシガシと手の甲で擦って外を見る。  やっぱり森が広がっていた。  両手で顔を撫で回してみても――  やっぱり森が(ry 「うえええええぇぇっ!?」 まず確認するのは自分の服。病人向けらしきゆったりとした服だった。 「ええぇぇああえェェッ!?」  次に部屋。何も入ってない棚と、ベッド。当然自分の部屋ではない。 「え、ええううええぇぇ!?」  棚の裏や、掛け布団の中、ベッドの下を覗くが当然何も無い。 「…………」  最後に窓の外を見る。  外は森、壁の色は白、今居る部屋は三階のようで、空は突き抜けるように青かった。 「……ふう」  ため息。2回深呼吸した後―― 「ええええええーー……」  ベッドに頭からダイブ。  「あー、えー……」  布団に頭から包(クル)まる。 「えうぇえEE江ヱええゑええェェッ!?」 布団に包まって叫びながら、康太は思った。 ――俺って今、錯乱してね?    * * * 俺がドアを開けたところで、俺の世界にでもありそうな白いナース服を着た、看護師さん(髪瞳共に藍色、後頭部で髪くくってる)に会った。 「食事を――」 「……アディオス」  とりあえずパンを手にとってダッシュ。一回床を蹴るだけでいつもの数倍速く進んだ。  やっぱり夢じゃね、と思ったあたりで――。
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