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とある町の歩道橋・・・
1人の青年がお婆さんを背中に背負って、歩道橋を下っているのが見える。
「ごめんなさいねぇ、急に膝が痛くなってしまって困ってたのよ。」
背負ってもらっているお婆さんが、青年に申し訳なさそうに謝っている。
『いえ、気にしないで下さい。偶々、僕が通りかかったのも何かの縁ですから。』
背中で謝るお婆さんに、そう返す青年はお婆さんが歩道橋の手前に膝を痛そうにしてしゃがんでいるのを偶然見かけて、親切に反対側まで背負ってあげているのだ。
「そうかい?親切で優しい子だねぇ。最近じゃ年寄りを大事にしない子が増えてるって言うのに、貴方みたいな子が増えれば世の中も良くなるだろうにねぇ。」
しみじみと背中で語るお婆さんを青年は優しく見ていたが、歩道橋を下り終わったのでお婆さんに話し掛ける。
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